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2026/06/13

ある魔女のはなし


魔女のおはなしです。





彼女が生まれたのは、とある国の、とある高名な魔術師の一族でした。
人とは違う色を持って生まれた彼女は天から恵まれた才能を持っていました。
幼いうちから次々と新しい魔術を開発し、人々はそんな彼女を愛し、また嫉妬し、大切な存在として大事にしていました。

ある日、魔女狩りが始まってしまいます。
ですが、一族の全員が自分たちの技術と才能、一族の強さを信じていましたし、何か来ても追っ払えばいいと思っていました。だからこそ高をくくっており、自分から動くことはなく、現に地方の小さな集落がぽつぽつと消えて行っただけで彼女の一族にはその魔の手が及ぶことはありませんでした。
そうして住処を失った魔術師たちは必然的に彼女の一族の元へと集い、一族は更に力を増しました。

その内の誰もが気付いていませんでした。
絶対的な地位を持っていると言っても過言ではない一族を潰せば、直ぐに周りの魔術師達から反感を買い、国家は大きな打撃を受ける。だからこそ囲い込むように魔術師を追い詰め、そして……

強襲を受けた一族に、成す術はありませんでした。
命を受けた兵士たちは魔術への対抗策を持っていたのです。それはかつて自分たちが作った技術でした。
彼らは蹂躙され、その全てが処刑されました。

しかし、彼女は生き残りました。
天才である彼女さえいればまた一族は再興する。再び幸せな生活が送れる。そう思って一族の者は彼女に不老不死の魔法をかけたのです。

彼女が死ぬことはありませんでした。
火にかけられても美しい体のまま、首を切ろうとしても敵わず、水に沈めてもその目は閉じられることは無く、また飢える事もありませんでした。そうして彼女は化け物として魔術の行使を封じられ、王城の地下に幽閉されることとなったのでした。

時は流れ、彼女の存在も忘れ去られた頃、彼女の封印はそっと解けました。けれども彼女に抜け出す意思は既にありませんでした。
一族と、家族と共に死ねたらどれだけよかったろう、こんなに辛い思いをして生きて一体何が得られたのだろう。
流す涙も無くした彼女には、生きる意味などもうどこにもありませんでした。
…そうしてまた時は流れ、王城は遂に取り潰されることとなり、彼女もろとも城は潰れ、それでもやはり死ぬことはありませんでしたから、長い時間をかけて彼女は外の世界へと這って出ました。

永い時の経った景色はまるで変わっており、かつての面影がどこにもありませんでした。自分たちが暮らしていた場所も鬱蒼とした森へと姿を変えていました。
その景色を見た時、幽閉されてから初めて彼女は涙を流したのでした。


それから彼女は必死になって、今の世界の勉強をしました。飢える事も睡眠を必要とする事も無い体は、彼女に沢山の時間と余裕を与えました。
魔術師を迫害する事も無くなった世で、天才と語られた魔術を使い、沢山の金銭を得ました。
けれども彼女の心が満たされることはありませんでした。
強すぎる力は人を引きつけましたが、その心は恐れ故に遠ざかり、明るい道化となってしても、彼女はまたひとりになりました。

やがて、ここに自分の居るべき場所は無いと悟った彼女は、そっと旅に出ます。
着いた先はイッシュ地方。
彼女はあるオーベムに接触し、その力を示す事で居場所を得ました。


そうして、色々あってひとりじゃなくなるわけですね。
そのへんはめんどくさいのでおわり。

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2013/08/17 設定 Comment(0)

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