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とある騎士(シュバルゴ)の黒歴史(ダークサイド)とよみます。
昔、ある屋敷に女の子がおりました。
シュバルゴの父と母、そしてカブルモの女の子。三人家族でした。
家族は自らの仕える主の屋敷に住み込みで働いていました。女の子が産まれた時は、騎士もメイドも主も、屋敷の皆から祝福されました。
女の子はすくすくと育ち、同じように屋敷で産まれた子供たちと遊んだり、また、比較的年の近かった主の娘の面倒も見ていました。
幸せな暮らしの中で、女の子は自分も家族のようにこの家で騎士になり、一緒に遊んでいるこの小さな女の子に永遠の忠誠を誓うのだと、疑うこともありませんでした。
しかしある日、屋敷の主は病に伏せってしまい、医者たちも手を尽くしましたが、一月経たないうちに亡くなってしまいます。
そしてその後に据えられたのは、まだ5歳になったばかりの主の娘でした。
…やがて、それまで忠誠を誓っていたはずの臣下たちは、主が幼く無知であるのをいい事に、屋敷のありとあらゆる財産を食らい始めました。
それに皆が気づいた時にはもう遅く、沈みかかった船から何とか少しでも多くの金を持って逃げようとした結果、物品は持ち去られ、壁は剥がれ…屋敷は見る影も無くなってしまいました。逃げた臣下の中には女の子の家族も含まれていました。
家族は屋敷を出て、一握りの財産で住処を得て、薄暗く汚い路地裏に三人で暮らし始めました。
始めは父も母も女の子も、これからの暮らしを頑張って行こうと張り切っていましたが、生活はどんどん苦しくなってきて、女の子も働きに出るようになりました。親には内緒で盗みを働く事もありました。
父と母は人が変わったかのように酒に溺れ、暴力を振るうようになり、泣いて暮らす日々が続きました。
二人とも潔癖な騎士として生まれ生きてきた人でしたから、自分を保ったままこんな生活を送る事に耐えられなかったのでしょう。
けれども、女の子だけは挫けませんでした。いつか自分が何とかすれば父と母は元に戻る、幸せな暮らしが戻ってくると、働く事をやめた両親の代わりに働き続けました。
そしてある日、仕事を終えて帰ってきた女の子の目に映ったものは、首を吊って変わり果てた、両親の姿でした。遺書はありませんでした。
女の子は、不思議と冷静でした。その時に何かが壊れてしまったのか、または何かを閉ざすようになったのかもしれません。ただ、その日から女の子は、誰かを信じるという事が出来なくなってしまいました。
女の子は二人を埋葬し、そして二度と、その場所に戻る事はありませんでした。
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